「イカの街函館」終焉か・・・2018年もスルメイカ不漁の模様




北海道函館と言えば「イカの街」として古くから有名ですが

ここ数年イカが取れない!という事態に陥っています。取れても小ぶりで少量・・・なんてことも。つい数年前までキロ1000円くらいの相場でしたが2018年6月1日の初セリ金額はなんとキロ4300円と正味にすれば本マグロのトロ以上の額になってしまいました。

このまま函館のイカは終わってしまうのか!?

函館イカ不漁の原因

北海道函館市は新鮮なイカが豊富に水揚げされる全国有数の加工集積地で学校の給食にもイカが使われるほど地元ではお馴染みの食材でした!

回転寿司に行けばイカは2かんで105円(当時)というくらい安価で庶民には慣れ親しまれてきたものでした。

ですがここ数年特に2016年に記録的不漁を記録するなどイカの水揚げ高は減少してきています!函館だけでなく全国的にも「イカが取れない!」という状況が続いていて過去全国で20万トン取れていたスルメイカが15万トン、11万トン、4万トンと年々減少の一歩をたどっています。

原因は地球温暖化による海水温上昇だけではないようです。

地球温暖化による海水温度の変化

我々が快適に生活を営んでいくために排出されてしまう二酸化炭素が原因で地球の表面にあるオゾン層が破壊され地球上の平均気温が世界的に上昇してきています。

すると、起こってくる問題が海水温の上昇。イカの子どもや卵の状態では海水温の影響をモロに受けてしまうので成長できずに死滅していったという説が有力ですがイカはデリケートな魚で海水温が低すぎても宜しくないようです。

というのも日本近海では低気圧が通常より西側で発達し北風が強く吹いているのでイカの産卵場所である東シナ海の海水温が冷やされ成長しずらかったりするようです。

イカが成長するのに適正な海水温は18℃~24℃ということなので地球温暖化による海水温の変化が函館イカ不漁が慢性化してる一番大きな要因と言えます!

世界的にも減少傾向!?

日本近海のみならず世界的にもイカの漁獲量は落ち込んでいるそうです。南米やアジア各国でもイカが水揚げされており、日本も輸入していますが特に南米アルゼンチンでは100万トンあった漁獲量が30万トンにまで落ち込んでしまったそうです。

全国の百貨店などで催される北海道物産展でも有名で売上もトップを争う駅弁「いかめし」!!これまでは1人前650円で販売されておりましたが原材料の高騰により昨年130円引き上げて780円と20パーセントの大幅値上げを余儀なくされてしまいました・・・

いかめしに使われているイカは北海道産ではなくニュージーランド産のイカが使われてきました。ですが、こちらのいかも年々水揚げ量が減り仕入れ値が2倍近くあがってしまったそうです。

海水温によるもうひとつの現象

地球温暖化による気温と海水温上昇で北極の氷が溶けるという現象を引き起こしています。それにより起こる問題は海水量の増加、海水温の変化で海の生態系に異常をきたしております。

鮭やさんまの不漁が続いていますが特に海水温にデリケートなイカには致命的なダメージを与えているということになります。

函館で水揚げされるイカは「スルメイカ」

函館でとれているイカは「スルメイカ」という種類のイカです。お酒のお供の硬ーいスルメを連想させてしまうので地元の方は「真イカ」なんて読んでいます。なのでスルメイカも真イカも同じイカを指します。

真イカ漁が解禁(漁は6月~12月まで)されて数日経ちましたが私の元に届くイカは例年よりかなり小ぶりな感じ。一キロ当たり1800円と初セリ当初よりは値段は落ち着きましたがやはり庶民にはまだまだ手の遠いところですね。

ちなみに「大間のマグロ」「戸井のマグロ」など津軽海峡を挟んでマグロが水揚げされますが主な理由としてマグロの好物のイカが回遊しているからだそうです。イカが居なくなればもしかしたらマグロもとれなくなる・・・なんてことも十分考えられますね。

道南地区ではイカを中心とした加工業者がたくさんありましたが原料不足と価格高騰で廃業まで追い込まれる業者が後を立ちません。

2018年も一向に回復する兆しが見えない真イカ漁「活イカ刺し」「イカソーメン」「いか塩辛」「イカ飯」函館はイカの街という売り文句がなくなってしまうのでしょうか・・・

イカの生体に関してはまだまだ不明な点が多いのではっきりとはしていませんがこれから長い年月をかけて回復していくのかそれともイカの減少による漁獲量の減少が止まらないのか。

快適な暮らしと引換に起こる地球温暖化・・・非常に難しい問題です。

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