2017年12月9日「獺祭」で知られる旭酒造が、全国紙で意見広告しました。
内容は、焼酎の森伊蔵や魔王もそうだけど、酒造会社が汗水垂らして作った2千円そこそこの酒が、消費者の手元に来るまでに2〜3万円になるのが当たり前になっています。
需要、供給を超えた、ただの転売について、今回新聞に意見広告をだしました。
獺祭ってそんなにすごい日本酒なの?
獺祭を製造している
旭酒造がどんな会社なのか?
獺祭とはなんなのか?
ツイッター上で現在バズっている獺祭についてここまで人気が出ている理由5つを書いていきます。
「獺祭」名前の由来

弊社の所在地である獺越の地名の由来は「川上村に古い獺がいて、子供を化かして当村まで追越してきた」ので獺越と称するようになったといわれておりますが(出典;地下上申)
この地名から一字をとって銘柄を「獺祭」と命名しております。
引用:旭酒造
「獺祭」の言葉の意味
獺が捕らえた魚を岸に並べて、まるで祭りをするようにみえるところから、詩や文をつくる時多くの参考資料等を広げちらす事を意味します。
「獺祭」の定価価格
獺祭には、たくさんのシリーズがありますが
1番最安値の獺祭大吟醸(1800ml)で
3078円(税抜き)です!!
今回なぜ意見広告を出したのか?
それは
転売価格が
10000円(税抜き)以上!?しているからです!!
転売行為が、決して悪いことだとは、わたしは考えていません。
転売という言葉にはなっていますが、安く仕入れて高く売る
これは、どんな小売業態でもやっていることです。
それでは、なぜ旭酒造が意見広告を出したのか?
日本酒文化に対する思い
これ以外ないとわたしは考えます。
6つの理由としてタイトル通り書きつづっていきますが、旭酒造の思いとしては、低価格で一般消費者にもと製造している日本酒を
価格だけが高騰し、手に入れた消費者はこの価格で日本酒はこんなもんなのか
このような感情になってほしくない
日本酒を広めたい
日本酒が、好きで好きでたまらないという思いをこの意見広告に感じました。
「獺祭」がなぜここまで人気なのか?
知らない人もいるのかもしれませんが、獺祭はなぜここまで人気なのか?
秘密にせまっていきたいと思います。
獺祭人気の理由その1 安倍首相が火をつけた?!


安倍首相によるセールスが度々話題になるのも獺祭です。
2013年10月にはロシアのプーチン大統領に、2014年4月にはオバマ大統領に、それぞれ獺祭がプレゼントされています。
安倍首相は山口県の衆議院議員として、政界デビューを果たしています。
そもそも、安倍首相にとっては何世代も前にあたる明治の頃から、安倍首相の家系はこの山口県を地盤とした政治家さんだったそうで、同郷の絆はやはり強いですね。
獺祭人気の理由その2 社長桜井さんがすごい!!

獺祭を製造する旭酒造の社長桜井さんは、テレビ番組の『ほこたて』に出演した経験があります。
その際、桜井社長は
「どんな水でも絶対に見極める酒職人」
として登場し
「絶対に水道水だと気付かれない浄水器」と対戦しました。そして、見事に浄水器の水を言い当てちゃったのです!
この番組で取り上げられたことが、獺祭の認知度を広く一般層にまで普及させ、さらには獺祭の品薄を招き、旭酒造が品薄を謝罪するまでの騒動になりました。
水を制する者は、日本酒を制したんですね
獺祭人気の理由その3 常識をぶっ壊した

獺祭の味わいは、徹底した数値管理から生み出されています。
酒造りには全て「山田錦」という酒造好適米(酒造りに適した、食用米とは異なる品種)を使用しています。
常識をぶっ壊したとは、旭酒造には、酒造りの最高責任者である
杜氏がいないのです!!
酒造の世界では従来、良い酒を造るには経験を積み重ねた杜氏の知識や勘が欠かせないとされてきました。
しかし旭酒造は、そんな常識を打ち破って杜氏制を廃止し、社長や社員たちで酒造りを行っているのです。
酒造りの各工程を数値でしっかりと分析、管理することにより、タンクが違っても味わいにブレが出ないようにこだわって製造しています。
温度管理が重要な酒造りは、基本的には、冬場に行われるものですが、旭酒造では空調を利かせて一年中、酒造りを実現できる蔵を建て、生産能力を高めています。
獺祭人気の理由その4 こだわりの遠心分離機
遠心分離機を導入したのも獺祭の特徴です。
もろみ(日本酒になる前の、発酵してどろどろになっている状態)を酒粕と清酒に分離する際に、必要以上にお酒に圧力がかからないようにすることに使用しています。
遠心分離機を使うと、搾り機などを使って圧力をかけて分離した場合よりも、もろみが本来持っている香りやコクなどが崩れにくいので、桜井社長のこだわりにより使用を開始。
結果
「いつ飲んでも、いつものように美味しい」
を実現することに繋がっています。
イメージつきづらいと思いますので、遠心分離機のわかりやすい動画がこれです↓↓
日本酒は発酵によって醸されるものなので、いつでも同じように高品位なものを造るのは、案外難しいのが日本酒です。
米の出来不出来もあるし、気温などが変化すると発酵の具合が違ってしまったりします。
極端な話、同じ原材料で同じように造っても、タンクごとに発酵の具合が変わり、味わいが異なることもあるのです。
やはり「いつ飲んでも、いつものように美味しい」を実現させたのが、隙のない美味しさを生み出し、人気がこれほどまでに落ちず、支持されている理由の根本にあると考えます。
獺祭人気の理由その5 米を救う

旭酒造は、原料となる山田錦の不足から生産量が追い付かないこれに対し悩んでいました。
山田錦は、酒用の原料米として需要が高いにもかかわらず、稲の病気である「いもち病」にかかりやすい、背が高く風で倒れやすいといったことから栽培が難しく、収穫量が安定しないことが問題でした。
そのため、生産する農家も限られ、このままでは原料不足がさらに深刻化して、獺祭が入手困難な「幻の銘酒」となってしまうのではと悩みます。
そこで、旭酒造は富士通に協力を求めます。
富士通は、山田錦の生産量を増やし、新規生産者でも安定した栽培と収穫を実現できるようにする取り組みを開始。
具体的には、山田錦を生産している山口県内の2カ所の生産者に、富士通 食・農クラウド「Akisai」(アキサイ)を導入実施しました。
農業生産管理システムと各種センサーを組み合わせて、山田錦の栽培作業の実績情報を収集・蓄積しし「生産現場ではどのような栽培作業が実践されているのか」を見える化し、収穫量を安定させるために必要な栽培方法を明らかにしていったのです。
この旭酒造と富士通のタッグにより、山田錦の収穫量が増加していきました。
獺祭人気の理由その6 社長の信念

「酔うため 売るための酒でなく 味わう酒を求めて」という信念のもとに造られているのが獺祭です。
香り、繊細さなど、すべてにおいてレベルが高く、隙がない日本酒で、日本酒を飲み慣れていないような人が飲んでみても、これは美味しいと口にしてしまう驚きがこの日本酒にはあります。
やはり社長の「酔うため 売るための酒でなく 味わう酒を求めて」この信念からくる味わいだとわたしは、考えます。
まとめ
今回の新聞意見広告も、日本酒の文化を汚すなというのも考えられますが、この社長の信念からきているとも感じ取れます。
獺祭は遠心分離製造や杜氏がいない造り方をしているので、蔵を建てて人手を増やすことで、他の酒に比べれば、増産ができます。
実際、昨年には創業当時からの蔵を解体し、新しい蔵を建て増しして増産体制を整えていたりしていて
「獺祭を幻の酒にしたくない」というこれまた社長の思いから増産しており深い日本酒愛、獺祭愛をわたしは、今回の新聞意見広告に感じてしまいました。
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